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2023年度慶應義塾メンタリング・プログラム活動報告

慶應義塾協生環境推進室では、慶應義塾の女性教員のエンパワメントとリーダーシップの促進を目的に、パイロット版として2022年度にメンタリング・プログラムを実施し、2023年度から正式なプログラムとして始動しました。

 

本プログラムは、慶應義塾も加盟する環太平洋大学協会(Association of Pacific Rim Universities)が実施するAsia Pacific Women in Leadershipに参加した教員(WGメンバー)と共に検討を重ね、慶應の特徴に合わせた構成となっています。慶應義塾における「女性リーダー」は、義塾の運営を担う立場に立ち、改革を推進する未来の先導者であり、慶應義塾の草創期からの精神のひとつである「半学半教」の実践による本プログラムでの経験を通じて、より多くの女性リーダーが活躍することを期待しています。

 

◆2023年度メンタリング・プログラム

18組のメンターとメンティーのペア合計36名の女性教員が参加し、1年間を通してリーダーシップやエンパワメント等、それぞれのテーマについて学び合いました。

プログラムの一環として行われた中間報告会では、同時にワークショップを開催し、第1回は、スポーツ心理学者/博士(システムデザイン・マネジメント学)の田中ウルヴェ京氏による、「心の整えかた」に関するストレスコーピングへの気づきと理解を深めました。第2回は、板垣悦子体育研究所教授による、ボディコンディショニングのワークショップとして、ピラティスの実技体験や呼吸法のレクチャーをいただきました。

 


第1回中間報告ワークショップの様子

 

 


第2回中間報告ワークショップの様子

 

そして、2024年3月、修了式が開催され、伊藤塾長から一人一人に修了証が授与されました。修了式ではそれぞれのペアからコメントが述べられ、メンター・メンティー双方にとって実りのあるプログラムであることが実証されました。下記にコメントの一部をご紹介いたします。

 

<メンティーからのコメント>

・最終的に自分らしいリーダーシップについて考察しました。自分らしさを大切にしながら、多様性を認め、臨床、研究、教育を通じてネットワークと視野を広げ、楽しみながら働くことが、私にとってのリーダーシップだと感じました。これまでこのようなテーマを考えたり、人に相談したりすることはありませんでしたが、同じ塾内で活躍する女性教授と親身に議論を重ねることができたのは、非常に貴重な機会でした。私の悩みにも真剣に耳を傾けていただき、非常に心強く感じました。女性の家庭での役割は世代によって変化し、それに伴い仕事のキャリアも進化していきます。メンターの話は、その点で毎回学びが多く、大変有意義でした。

・プログラムでは、素晴らしいメンターの先生との対話を通して、女性研究者が直面する課題を言葉にする重要性を学び、またその解決策についても多くのアドバイスをいただきました。さらに、ワークショップでは即座に実践できるウェルビーイング対策を体験することができ、皆様との交流を通じて、次に向かう活力とインスピレーションを常にいただいておりました。そして、このプログラムを通じて女性のキャリアサポートに関する意識が月単位で変わっていくことを実感し、このようなプラットフォームの重要性と素晴らしさを再認識することができました。今後は、このプログラムで設定した目標を更に発展させ、自らが貢献できる形を模索してまいります。本当にありがとうございました。

 

<メンターからのコメント>

・本プログラムを通じ、若手教員の方々が、しっかりした考えを持って、良い仕事をされようと、奮闘するお姿を拝見することができました。当方も刺激を受け、返って大変勉強になりました。皆様には個性的で輝かしい将来が開けると確信するところですので、これからも是非精励していただきたく存じます。

・本プログラムでは、普段交流のない全く他分野の先生とペアで活動する機会を得て、メンターとしての役割以上にかえって新しく得られる情報等も多く、塾内のネットワーキングとしての面でも非常に有用だったように感じています。一方、育児やそれに伴う仕事上の悩みは時代が変わっても現在も解決に工夫が必要なことも多く、自身の経験した話を紹介したことが多少なりとも役に立てばとも願っています。

 

なお、2024年度は第3期となるメンバーの募集を行う予定です。

 

 


伊藤塾長による修了証の授与

 

 


集合写真

 

撮影:岸 剛史