室長メッセージ Message from the Director

慶應義塾 常任理事 協生環境推進室 室長  横田 絵理

 協生環境推進室は、2018年に設置されて以来、誰一人取り残されない未来像を描き、慶應義塾における協生環境の整備を担うとともに協生社会の実現を先導することを志す組織として、多様な活動を展開してまいりました。

 現在、その取り組みは「ワーク・ライフ・バランス推進事業」、「バリアフリー推進事業」、「ダイバーシティ推進事業」、「コミュニティ・エンゲージメント推進事業」の4つの柱を軸として展開しています。

 まず、「ワーク・ライフ・バランス推進事業」においては、一人ひとりにとって多様な意味を持つこの課題に対応すべく、包括的な支援プログラムを実施しています。具体的には、KIDS(育児支援プログラム)および慶應義塾大学病院の看護師・助産師を対象とした「ナース・キッズ☆サポート」、子育てをしながら学部および大学院で学ぶ学生を支える「KIDS for Students」、介護と仕事の両立を支援するKIND(介護支援プログラム)、さらに、本学で働く教職員の心身を直接ケアするCARE(悩みと仕事の両立支援プログラム)など多岐にわたる取り組みを展開しています。加えて男女共同参画を推進するため、学外、海外の関連機関等との連携や啓発活動も積極的に行っています。

 次に、「バリアフリー推進事業」では、障害者差別解消法等に基づき、全ての学生が等しく学びを享受できる環境の整備を目指しています。その中心的役割を担う協生環境推進室の「障害学生支援室」では、学生一人ひとりに寄り添い、教職員と協働しながら、必要な調整や支援を着実に進めています。障害学生支援は担当する教職員に留めるものではなく、学生も含めた誰もが支援の一翼を担うことを等しく心得る協生環境として整えていかねばなりません。この理念のもと「@ease プロジェクト」として、一体となる事業を推進しています。

 「ダイバーシティ(Diversity, Equity & Inclusion)」の推進においては、2025年に開設された協生ステーション arcoíris (アルコイリス)が重要な役割を果たしています。同ステーションは、誰もが安心できる居場所として機能し、多様性を尊重する文化の醸成に資しています。さらに、ダイバーシティに関するワークショップや、Breezeプロジェクト(女性のからだ支援)、協生環境推進ウィークなどを通じて、多様性と協生環境の意義をともに考え、行動する機会を創出しています。

 そして第4の柱となる「コミュニティ・エンゲージメント」では、社会との接続による協生環境を目指します。日本赤十字社との「ボランティア・パートナーシップ協定」を契機として、2025年10月にはボランティア活動支援室が開設いたします。これにより、学内外における社会貢献のさらなる推進を図ってまいります。

 協生環境推進室は、誰もが慶應義塾において活き活きと活動できる環境の実現に向けた第一歩を担う役割を果たしています。ぜひ一度、当室のウェブサイトをご覧いただき、その取り組みに触れていただければ幸いです。

慶應義塾 常任理事
協生環境推進室 室長 横田 絵理